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インフラに約200億円投資、地共連(1)
地方公務員の年金を運用する地方公務員共済組合連合会(地共連)は、2016年にインフラ投資を始め、これまでに約200億円を投じている。どのように投資しているのか。地共連の北澤剛・資金運用部長と山縣紀夫・資金運用部総括投資専門員に聞いた。(全2回)
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地方公務員共済組合連合会の北澤剛・資金運用部長(左)と山縣紀夫・総括投資専門員
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地共連は、運用資産の半分近くを占める厚生年金保険給付調整積立金(17年3月末時点で10兆4613億円)の5%を上限に、インフラ、不動産、プライベート・エクイティ(PE)などオルタナティブ(代替)資産への投資が可能としています。

  現時点で、地共連が採用した運用プロダクト(ファンド)のコミットメント(ファンドに対し出資を約束する金額)は約500億円で、実際に投資したのは約400億円。約500億円のうち、インフラが200億円弱、不動産が約250億円、PEが約50億円です。

 オルタナティブ資産は積み上げていく傾向にありますが、1年間にいくら増やさないといけない、といったことはありません。良いプロダクトがあれば増やすということです。
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インフラ投資を始めたのは、なぜですか。

 大きく三つの理由があります。一つは、収益の源泉を分散するためです。年金資金を運用する地共連は、長期、安全かつ効率的な資金運用をうたっているので、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券だけのポートフォリオではなく、リスク・リターン特性が異なる収益の源泉を求めています。

 もう一つは、地共連の資金運用は超長期で、換金性にあまりこだわっていないという特性を生かして、インフラや不動産の流動性プレミアム(現金化しづらいリスクを取ることに対するリターン)を得るためです。

 三つ目は、国内債券に代わる収益源を確保するためです。これまでは国内債券からのリターンの安定性を重視してきましたが、(低金利で)環境が悪くなりました。インフラは、安定したインカムゲインを期待できます。
インフラで約30件エントリー
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インフラなどオルタナティブ資産は「マネジャー・エントリー制」で運用しています。どのような仕組みですか。

 地共連が自らインフラに投資することはできないので、運用機関に委託しています。マネジャー・エントリー制は、運用機関から運用プロダクトのエントリーを随時、受け付ける仕組みです。インフラは15年7月に受け付けを開始しました。

 エントリーするには、AUM(受託資産残高)の総額が1000億円以上、対象資産の運用実績が原則3年以上といった要件が必要です。エントリーの期間には締め切りを設けていません。ただ、一定の期間で区切り、ヒアリングしたり、提出書類を審査したりして選考します。1回目の審査で落選しても、引き続き選考対象になり、チャンスが続くのもマネジャー・エントリー制の特徴です。

 これまでに、オルタナティブ資産を投資対象とする運用プロダクトは100件超がエントリーしています。このうちインフラは約30件。増やしていく方針です。
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選考する基準は?

 地共連の大きな目的が運用資産の多様化なので、重視することの一つは、分散効果やリターンの獲得能力。長期間、安定してリターンを得られるプロセスや体制になっているかを見ます。どのようなリスクがあり、それをきちんと把握しているかも確認します。加えて、どれくらい情報を開示していただけるか。ESG(環境・社会性・企業統治)に配慮しているかといったことも確認します。
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海外インフラの運用委託先として、これまでに4社を選定しています。これらが対象とするのは、どのようなインフラですか。

  エネルギー、鉄道、水道、空港など多岐にわたります。地域も欧州、米国、豪州、アジアとさまざま。デットもあります。
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エクイティとデットの比率は?

 定めていませんが、現在はさまざまな資金が集中しているインフラもあり、必ずしもエクイティが有利な局面ではありません。債券の利回りが低いので、デットでも良い条件のものがあれば、積極的に投資したいと思います。
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インフラでエントリーしている約30件のうち、国内はどれくらいですか。

 とても少ないです。そのインフラの種類は、エネルギーと再生可能エネルギー。再エネは確かにキャッシュフローを予測しやすいのですが、(エントリーしているファンドと)リスク・リターンの目線が合わなかったことなどから、選定には至っていません。
(次回に続く)
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